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2010.07.26
「飯島書店」で数千年前にタイムスリップ!-後編 |
7月29日(木)まで千代田図書館9F出張古書店コーナーで
展示中の「としょかんのこしょてんvol.38 日中印譜の世界」
を担当された「飯島書店」取材記の後編です。
店員の小長谷さんは、書道や篆刻の創作活動をされている方で、
取材時、特別に「篆刻」を披露して下さいました!その様子をお届けします。
※今回は特別に即興で彫っていただきましたが、
飯島書店は古書店なので、篆刻を受付ている訳ではありません。
ご了承ください。
★「篆刻(てんこく)」ってどうやるの?★
1.印面を作る
石などの印材の、彫る面をヤスリで平らにします。
2.印文を決める
今回は、名前の一字を刻る「落款印」にします。
3.字そのものを彫る(=白文)か、字を残してまわりを彫る(=朱文)か
を決める。今回は、白文にします。
4.印稿を作る
字典で字体を調べ、サイズ、配置などを、デッサンをするようにして考えます。
仕上がりを決める重要な行程で、最も時間をかけるそうです。
▲写真引用元『篆書印譜字典』柏書房
5.印面に書き写す
印稿を反転させて、書き写します。
今回は簡易版なので、鉛筆で書き込みます。
6.印刀(=鉄筆)で彫る
今回は「白文」なので、鉛筆で書き込んだ文字の上を彫っていきます。
7.実際に押してみながら、わざと角をカケさせたり、キズをつけたりする
▲カケ具合が少しずつ変わっていきます
これが篆刻ならではの味わいになる、作者の腕の見せどころ。
本来は、印稿の段階で、こうしたカケの部分までも決めておくそうです。
8.印箋(いんせん)に押す
印章を押すための黒枠が入っている用紙を「印箋」といいます。
繊維をならすため、ツルツルの石で表面を少しこすります。
印泥(いんでい※)に印面を軽く叩くようにして、均一につけます。
※篆刻用の印肉は、「印泥」といいます。練り朱肉です。
気持ちを落ち着けて、「印箋」に押します。ドキドキ・・・
完成!
※片方の枠内を白紙で残しておくのは、
印譜(印章を集めた本)に製本するときに、
前のページの印章が写らないようにする
ためです。印譜にするときには、半分に
折ります(下左)。/印面の拡大(下右)。
自分の名前でこんなに素敵なものを作っていただいて、
とても嬉しいです!自分でも篆刻をやってみたくなりました。
カルチャーセンターなどでは結構人気なんだそうです。
小長谷さん、本当にありがとうございました!
7月29日(木)で千代田図書館内での展示は終わりますが、
ぜひ飯島書店にも足を運んでみてくださいね。
★飯島書店については、こちら
Posted at:17:00