「飯島書店」で数千年前にタイムスリップ!-後編

7月29日(木)まで千代田図書館9F出張古書店コーナーで

展示中の「としょかんのこしょてんvol.38 日中印譜の世界」

を担当された「飯島書店」取材記の後編です。

 

店員の小長谷さんは、書道や篆刻の創作活動をされている方で、

取材時、特別に「篆刻」を披露して下さいました!その様子をお届けします。

※今回は特別に即興で彫っていただきましたが、

飯島書店は古書店なので、篆刻を受付ている訳ではありません。

ご了承ください。

 

★「篆刻(てんこく)」ってどうやるの?

1.印面を作る

  石などの印材の、彫る面をヤスリで平らにします。

 

2.印文を決める

  今回は、名前の一字を刻る「落款印」にします。

 

3.字そのものを彫る(=白文)か、字を残してまわりを彫る(=朱文)か

  を決める。今回は、白文にします。

 

4.印稿を作る

 字典で字体を調べ、サイズ、配置などを、デッサンをするようにして考えます。

 仕上がりを決める重要な行程で、最も時間をかけるそうです。

  

▲写真引用元『篆書印譜字典』柏書房

 

 5.印面に書き写す

 印稿を反転させて、書き写します。

 今回は簡易版なので、鉛筆で書き込みます。

 

6.印刀(=鉄筆)で彫る

 今回は「白文」なので、鉛筆で書き込んだ文字の上を彫っていきます。

 

7.実際に押してみながら、わざと角をカケさせたり、キズをつけたりする

 

▲カケ具合が少しずつ変わっていきます

 

 これが篆刻ならではの味わいになる、作者の腕の見せどころ。

 本来は、印稿の段階で、こうしたカケの部分までも決めておくそうです。

 

8.印箋(いんせん)に押す

 印章を押すための黒枠が入っている用紙を「印箋」といいます。

 繊維をならすため、ツルツルの石で表面を少しこすります。

 

 

 印泥(いんでい※)に印面を軽く叩くようにして、均一につけます。

 ※篆刻用の印肉は、「印泥」といいます。練り朱肉です。

 

 

 気持ちを落ち着けて、「印箋」に押します。ドキドキ・・・

  

 

 

完成!

※片方の枠内を白紙で残しておくのは、

印譜(印章を集めた本)に製本するときに、

前のページの印章が写らないようにする

ためです。印譜にするときには、半分に

折ります(下左)。/印面の拡大(下右)。

  

 

自分の名前でこんなに素敵なものを作っていただいて、

とても嬉しいです!自分でも篆刻をやってみたくなりました。

カルチャーセンターなどでは結構人気なんだそうです。

小長谷さん、本当にありがとうございました!

 

7月29日(木)で千代田図書館内での展示は終わりますが、

ぜひ飯島書店にも足を運んでみてくださいね。

 

★飯島書店については、こちら

 

   

Posted at:17:00