麹町中学校:読書に親しむための取り組み

10月27日から11月9日は読書週間です。

千代田区内の小中学校では、日頃よりさまざまな

読書活動が授業の一環で行われています。

今回は、麹町中学校3年B組の国語の授業

「読書生活を充実させよう」のようすをお伝えします。

 

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日時 9月21日(火)第5校時

先生 第3学年担任 南あゆみ教諭

授業 読書活動 3年生国語「読書生活を充実させよう」

 

[研究テーマ]

 読書に親しむ子どもの育成 ~読書習慣の形成・定着~

[育てたい子どもの姿]

 実生活の中に本があり、目的や必要に応じて、本を活かす子ども

[単元(題材)名]

 読書生活を充実させよう

[単元目標]

・作品を読み、感動や気づきを話し合う中で、読みを深める。

・作品の魅力を理解し、それを「鑑賞文」としてまとめる。

・読書の楽しさを再認識し、読書に親しむ習慣を身につける契機とする。

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▲授業風景

  

全4時間の活動の、3時間目を見学してきました。

 1時間目 学習のオリエンテーション/小説を読む

 2時間目 小説を読む/考え、感想などをワークシートに記入する

 3時間目 グループごとに読書交流会を開く/事後発表(←この時間)

 4時間目 鑑賞文を書く/全体のテーマを通しての意見交流

 

生徒は、重松清の作品から『セッちゃん』『おまもり』

『モズクとヒジキと屋上で』『サクラ・イツカ・サク』

のいずれかを読みます。1作品2班ずつです。

 

この読書活動を始める前に、読書は好きか、身近か、月に何冊くらい

読むか、どんなジャンルを読むか、などのアンケートをとった結果、

読書は好きでも日常生活の中で読書の時間を確保していない実態や

内容が軽く時間をかけずに読めてしまう「ライトノベル」を好む傾向など

が見られたそうです。

そこで、生徒にとってある程度現実感があり、共感したり、想像したり

しやすい短編を提示することで、自分の生活や思いと比べて考え、

批評することができるものをと、先生が前述の本を選んだようです。

 

見学した日は「読書交流会」の時間。他の人の意見を聞くことで

作品の魅力を探り、考えを深め、広げることが目的です。

 

  

▲それぞれが感想などを書き込んだワークシートを元に、班内で意見交換。 

 

班のメンバーで、それぞれが①感想 ②心に残った表現とその理由 

③主人公の変化 ④作品の良さ(批評)を発表します。

 

蛍光ペンでラインを入れていたり、国語辞典をもってきていたり、

キーワードをつなげた星座のような図で作品の全体像をまとめていたり、

生徒はそれぞれに色んな読み方をしているようです。

 

淡々と発表を進める班もあれば、生徒の感想一つ一つに反応して

盛り上がる班もあり、見学していて飽きませんでした。

ある班では「自分だったら人のためにそこまでしない!」

「俺もぜったいしないー」「頼まれてもいないのに」

「でもそれって友達思い?」「間違いじゃないよね」

「どうすればいいかわからなくてやってるんじゃないの?」

「みんな必死なんだよ」などと、作品のテーマが自分たちに

身近なものだったからこそ、主人公のとる行動から、その心境を

問答しながら深く掘り下げていく姿が見られ、印象的でした。

 

班内での話し合いが済んだら、この小説の魅力について

各自がまとめます。自分が読んで、みんなと話をして

気づいたことを書き溜めた“自由メモ”を元にまとめる生徒もいます。

みんな真剣に、黙々と書いています。さすが中学生!

 

 

こうして一つの作品をしっかりと読み込み、感想や作品の

魅力を言い合うことで、自分なりのモノの見方や考え方、

感じ方について深めていく。そんな皆さんの姿を見て、

本を読んで終わらずに、それを誰かに話すことで色んな

広がりが出てくるんだなぁ、と自分の読書の仕方を振り返る

良い機会にもなりました。皆さんありがとうございました!

Posted at:10:00