レポート:図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「森崎書店の日々」編

先日の台風4号の影響で一度は延期となった神保町ツアー。

13日(土)に秋晴れの空の下、無事に開催することができました。

 

▲俎[まないた]橋にて。ツアーでは、町の歴史などもご紹介します。

 

図書館コンシェルジュが神保町の歴史や見どころをご案内する

神保町ツアーは、これで5回目。

今回は、千代田区が主催する「ちよだ文学賞」第3回大賞受賞作品

『森崎書店の日々』の映画化&文庫化を記念して、

著者の八木沢里志さんをゲストにお招きして開催しました。

 

  

▲映画は全国順次公開    ▲小学館文庫        ▲「ちよだ文学賞」作品集

 

★図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「森崎書店の日々」編

 開催日 11月13日(土) 

 ゲスト 八木沢里志さん(『森崎書店の日々』著者)

 協 力 神保町シアター

 協力店 中野書店、ボヘミアンズ・ギルド、南洋堂書店

 

小説&映画『森崎書店の日々』の舞台は、神保町。

著者の八木沢さんご自身が神保町のファンで、いつか

神保町の古書店を舞台にした物語を書いてみたいなと

思っていたのだそうです。

 

ツアーに出発する前にまず、八木沢さんから作品のこと、

映画化されてのご感想、神保町でお気に入りの店などを

お聞きしました。

 

 

▲正面真ん中が八木沢さん。本を読んだ方からの質問も。 

 

八木沢さんのところに映画化の話がきたとき、

「このご時世なので映画は完成しても、劇場公開に

こぎつけられるかは分からない」と聞かされたそうで、

公開決定は、本当に驚きだったそうです。

八木沢さん自身も映画のワンシーンに登場しています。

 

約30分のお話しの後、町へと繰り出しました。

今回のツアーでは、八木沢さんのお気に入りの店や、

映画のロケ地を中心に、歴史ある建物や店もご紹介しながら

約1.5時間歩きました。

以下、ツアーでご案内した箇所をいくつかご紹介します。

 

★宝田橋、日本橋川、俎橋

図書館から神保町へ向かうときは、宝田橋経由が近道。

名前の由来などについてご紹介しました。

 

★九段下ビル

関東大震災後の東京復興を目標に建設され、昭和2年に完成。

 

★玉川堂(筆、書道用品専門店)

文政元年(1818)創業の歴史あるお店です。

 

★松雲堂書店(古書店)

映画「森崎~」のロケ地の1つ。漢文、漢詩専門店です。

お店の取材レポートもご覧ください。

 

★@ワンダー(古書店)

映画のポスターやパンフレットも取り扱う古書店です。

 

★アジアンギャラリー季節風(雑貨店)

関東大震災後に商店などに用いられた「看板建築」様式の建物です。

 

★ヴィンテージ(古書店)

雑誌、パンフレットを中心に取り扱う古書店。

特に映画、演劇関係に力を入れているお店です。

 

★矢口書店(古書店)

映画、演劇、シナリオなどが専門の古書店。

オーソドックスな看板建築です。店の佇まいなど、

八木沢さんもお気に入りの店だそうです。

 

★南海堂書店 (古書店)

歴史専門の古書店で、映画「森崎~」のロケ地。

 

★神田古書センタービル

2階にある中野書店は、映画「森崎~」の制作に協力され、

ロケでは倉庫にあった実際の商品が使用されました。

専門は古書全般とマンガです。ここは、店内も見学しました。

 

★本と街の案内所(フリースペース)

映画にもチラッと登場します。

十一軒長屋と呼ばれる建物の一部で、かつてはここから

東方面の小宮山書店までが11軒つながっていました。

 

★小宮山書店(古書店)

ここまでで十一軒。皆さん数えることができたでしょうか?

1階から4階まで古書のデパートのような古書店で、

八木沢さんもよく立ち寄るそうです。毎週末に裏手のガレージ

で行われるお得なセール“コミガレ”は、いつもたくさんの

お客さんで賑わっています。

 

 

★神田伯剌西爾(喫茶店)

小宮山書店となりの喫茶店。

囲炉裏や柱時計など和風モダンな店内で、八木沢さんもよく訪れるそうです。

 

★ボヘミアンズ・ギルド(古書店)

美術、版画、自筆物などを取り扱う古書店。竹久夢二のコレクションが有名。

2階のブックギャラリーを見学させていただきました。

また、参加者に「商品目録(写真版)」をプレゼントにいただきました。

ありがとうございました!皆さん、後日またゆっくりと見にきてくださいね。

※店内の詳細は、取材レポートをご覧ください。

 

 

★南洋堂書店(建築専門書店)

建築関連の古書・新刊書・雑誌等を取り扱う書店。

映画「森崎~」のヒロインを演じたモデルの菊池亜希子さんは

学生時代に建築を専攻されていたので、この書店をとてもよく

利用されていたそうです。1、2階が吹き抜けになっていて、

開放感のある店内。2階にお邪魔しました。

▲ツアーで見てきた建築物が紹介されている本を発見。

 

★神保町シアター

今回のツアー終着点。映画「森崎~」の上映館で、ふだんは主に

古きよき日本の名作映画を上映しています。

同じ建物内には、お笑い劇場「神保町花月」も入っています。

支配人の細谷さん(写真右)に、映画館の紹介をしていただきました。

 

 

★「森崎書店」跡地

神保町シアターから100歩のところに、映画の「森崎書店」に使われた

建物があります。この建物は、すずらん通りにある紅茶専門店

「ティーハウス高野」さんの倉庫です。

 

約90分ちかく、神保町を歩いて回りましたが、

参加者からは「あっという間だった」「もっと長い時間歩きたかった」

という声をいただきました。映画「森崎~」のロケ地だけではなく、

神保町の歴史から、ふだん歩いていても見過ごしてしまうような

ちょっとした見どころまで、参加者の皆さんには様々な神保町の

魅力や楽しみ方を知っていただけたのではないでしょうか。

 

最後に立ち寄った「森崎書店」跡地では、八木沢さんと一緒に

記念撮影をする姿や、サインを求める姿なども多く見られました。

 

映画「森崎書店の日々」は、神保町シアターでの上映は終了しましたが

引き続き都内では11/27~シネマート新宿で上映開始、また全国順次公開

予定ですので、まだご覧になっていない方もぜひお見逃しなきよう!

 

また、小学館文庫『森崎書店の日々』には、

八木沢さんが書き下ろした物語の続編も入っていますよ。

 

図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアーは、

次回は翌春に開催予定ですので、こちらもお楽しみに!

 

最後に、今回のイベントは八木沢さんをはじめ、神保町シアターの細谷支配人、

おさんぽ神保町の石川編集長、映画宣伝会社の皆さま、古書店の皆さま、

千代田区のちよだ文学賞ご担当の皆さまなど、たくさんの方に

ご協力いただきました。

この場を借りて、お礼を申し上げます。ありがとうございました!

 

おさんぽ神保町Webで、当日の様子をご紹介いただきました!→コチラ

Posted at:13:35