和泉小学校:1年生国語「本とともだちになろう」

区立小学校での読書活動の報告が続きますが、

今回は、和泉小学校の国語の授業見学記です。

 

和泉小学校は、秋葉原駅から歩いて約7分、和泉公園の隣にあります。

今川小学校と佐久間小学校が合併して、1993年に開校しました。

 

和泉小学校では「学校全部が図書館構想」という事業を継続中で、

各階の廊下に書棚が並んでいます。

 

今回は、まだあどけなさの残る1年生の授業見学です。

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日時 12月7日(火)第5校時

先生 1年1組 鎌田有加先生

単元 本と ともだちに なろう

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今日に至るまでの学習の流れは、以下の通り。

 

4月 「おはなし よんで」

 たくさんの読み聞かせで耳から入ってくる言葉の心地よさや

 ストーリー展開の楽しさを味わう。

 

7月 「ほんと なかよし」

 挿絵から話の内容を想像したり、『だいくとおにろく』を読んで、

 話の内容と好きなところを作文帳に書く。

 

★本単元 「本と ともだちに なろう」

 自分で好きな本を選んで発表をする。

 友達の発表を聞いて読書意欲を高められるようにしていく。

 

学習で用いた『ずーっと、ずっと、だいすきだよ』

児童が気に入ったことから、先生は、その著者ハンス・ウィルヘルムの

他の作品3点(※)を用意。児童はその中から好きな本を1点選んで

本の内容と好きなところを発表する、というのが今日の活動内容です。

 

※ハンス・ウィルヘルムの作品※

『ぼくたちまたなかよしさ!』

『タイローンなんかこわくない』

『そんなのずるいよ!タイローン』 (いずれも評論社刊)

 

3人1グループで、1人ずつ発表をします。

どんな内容かを紹介し、感想をのべ、

「好きなところを読みます」と言って、お気に入りのシーンを

読み聞かせ、そしてまとめのコメント、と

とてもしっかりとした流れの発表内容になっていて、

これまでの学習の成果が確かに見受けられました。

 

▲自分が選んだ1冊以外はまだ読んでいないので、

 友達の発表にみんな興味津々! 

 

友達にお気に入りシーンの読み聞かせをするには、

どんな風に本を持てばいいんだろう?

自分が読みやすいように本を持つと

「見えません!」と指摘され、

友達が見やすいようにと本を持つと

「文字が逆になって読むのが難しい!!」

そんなことを体感しながら、みんなで本を囲んでいる

様子はとても楽しそう!

 

▲「ねえ、本を持つの手伝って!」

 

▲好きなところを読むときは、みんな感情たっぷりに

 抑揚をきかせています。

 

3人とも発表をし終えたら、その感想をグループ内で出し合い、

今度は本を交換し合って「本読みの時間」です。

発表の時間とはうって変わり、教室内は静まりかえりました。

小さく声に出して読む子もいれば、盛り上がって手や身体が

動き出す子もいて、それぞれに読みふけっているようでした。

 

▲みんな、本当に夢中になって読んでいます。

 

本読みの時間の後は、今日の学習の振り返りです。

▲元気良く手が挙がります!

 

友達の発表を聞いての感想をのべるときは、

「○○さんが読んだ本『○○』で、どんなところがどうだった」

と主語述語や、理由などがはっきりとしていて

分かりやすいことに、とても感心しました。

また「・・タイローンがアイスを逆さまにしたところが面白くて・・」

などの友達の感想に対して、「僕もそこ好き!」と同意したり

場面を聞いただけでみんなが笑い出したり、と

いかに児童が集中力をもって本を読み、楽しんでいたのかが

よく分かりました。

1年生でも、もう自分の力で、本を楽しむことができるんですね!

 

最近では昔ながらの「読書会」に加えて、

それがインターネット上で行われたり、本の交換会として

行われたり、と様々な広がりをみせているようです。

私自身も、書評を見て本を買って読む、だけではなく

友人にも話すことで共有したり、本の世界を広げたり、

をしてみようかなと思う1日になりました。 

Posted at:18:00