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2018.05.21
「本と出会う 読書サロン 第16期オープニングイベント」を開催しました |
「本と出会う 読書サロン」をご存じですか?
年2期(6月~9月、12月~3月)千代田図書館で開催されている、読書の会が主催する本を通じた交流の場です。
1冊の本について語りあう読書会とは違い、テーマに沿った本を各メンバーが選んで持ち寄り紹介しあうのがこの会の特徴です。
こちらは、読書サロンで紹介された本の一部です。
読書サロンでは小説、ビジネス書、絵本、写真集などさまざまなジャンルから選ばれた本との出会いが待っています。
今回は、そのメンバー募集をかねたオープニングイベントとして開催された講演会の様子をお伝えします。
ゲストは、子どもの本を数多く手掛ける出版社偕成社の社長・今村正樹さん。
「子どもを育てる、子どもの本を育てる」と題し、子どもの本のこれからや子どもをとりまく社会との関係についてなどをお話しいただいました。
「やっぱり、今このテーマで触れる話題というと…」
そう言って語り始めたのは、5月2日に亡くなられた絵本作家かこさとしさんについてです。
かこさとしさんの代表作のひとつ『からすのパンやさん』。
愛らしいからすの夫婦やたくさんの種類のパンなどが登場し、世代を超えて愛され続けています。
『からすのパンやさん』
かこさとし/作 偕成社
絵本といえばこのようにかわいいキャラクターが登場したり楽しいストーリーが展開する作品だというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?
しかし絵本にもいろいろ種類があり、おはなしの世界を楽しむ絵本もあればノンフィクションの絵本もあります。
かこさんは、愛らしい作品を手掛けると同時にノンフィクションの絵本の創作も精力的に行っていました。
ノンフィクションの絵本に対して、知識を身につけるお勉強のための読み物というイメージを持ってしまうと、あまり手を伸ばそうという気持ちがおきにくいかもしれません。
事実に対して子どもの興味をいかに引っ張っていくかが重要になってきます。細部にまできっちり丁寧に描かれた作品は、本を開くたびにいろいろな発見があります。そうやって楽しみながら知識が身につく作品を、かこさんは数多く生み出していました。
『太陽と光しょくばいものがたり』
藤島昭、かこさとし、村上武利、中田一弥、落合剛、野村知生/共著
かこさとし/絵 偕成社
そんな作り手の思いを受け止めて、子どもに本を手渡す大人としての使命感を持って本を世に出していることが、今村さんのお話しの端々から伝わってきました。
学校の授業で読書感想文を書くことについて、いま書店が直面する困難について、図書館に対する疑問(?)などなど、ときに熱く、ときにユーモアを交えてお話しくださいました。
その中で印象に残ったのが
「人がよい方向へむかっていくと信じて本を出したい」
というフレーズ。
正しい知識、深い好奇心によって人は進歩していく。その知識や好奇心の源になるような本を子どもに手渡したい。本がどんな読み手に渡るのか、渡った先にどのように残るのか。1冊の本がたどるストーリーを常に頭に描いて本を創り続けているのだと感じました。
今村さん、ありがとうございました!
イベント終了後は、今村さんに質問をする方や第15期の読書サロンで紹介された本を手に意見交換をする方々などの姿が見られました。
読書振興センターでは今後も本を通したコミュニケーションの場づくりのお手伝いを行っていきたいと思います。
読書サロンの開催は毎月第3火曜日の午後7時から。
参加者は近隣の方だけでなくお仕事帰りの方も多く、生活スタイルもさまざまなメンバーで本を通じた交流を楽しんでいます。
図書館は休日に行くところ、とは限りません。
千代田図書館は、平日22時まで開館しています。
気軽にちょっと立ち寄って、本との出会いを楽しんでみませんか?
本と出会う 読書サロン 詳細はこちら
Posted at:14:40