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今年は明治維新から150年後にあたるため、全国で様々な記念イベントが開催されているのはご存じでしょうか。
広報千代田9月5日号でも「千代田区と明治150年」と題し、大きなカラー写真入りで特集しています。
広報千代田9月5日号→コチラ
※広報千代田は日比谷図書文化館1階受付でも配布しています。
また、当館でも10月5日(金曜日)から12月2日(日曜日)まで
特別展「江戸から東京へ~江戸城無血開城から東京の新たな幕開け~」を開催予定です。それに併せ特別展関連講座もご用意しておりますので、ぜひ、ホームページからチェックしてみてください。
(満席の場合は随時受付終了となります。ご了承ください)
展覧会開催概要と関連講座・申込方法→コチラ
なお、特別展につきましては次回の日比谷図書文化館コンシェルジュ通信で詳しく特集する予定ですので、こちらも楽しみにお待ちください。
今回の日比谷図書文化館コンシェルジュ通信では、明治維新150年記念にちなんで前回(Vol.9)に引き続き、明治期の近代建築の貴重な資料を基に、明治時代の千代田の風景をお届けしたいと思います。
今回も貴重な資料を千代田区教育委員会にご提供いただいています。
古くから東京の政治的・商業的中心地として栄えてきた千代田区。お届けするのは、日比谷を少し離れて竹橋、お茶の水の風景です。
■ニコライ堂
日本での布教活動を目的としてロシアより来日したニコライ・カサートキンによって建立されたニコライ堂は、1891年(明治24年)に竣工。建設に当たっては、ジョサイア・コンドルが実施設計を務めています。
関東大震災で鐘楼がドームに倒れて崩壊しましたが、1929年(昭和4年)に現在の姿に再建されました。ちなみに、再建までの間は、千代田図書館の前身である東京市立一橋図書館が、震災での全焼をうけてニコライ堂の敷地内でバラック建ての仮設図書館を設けていました。(詳しくは→コチラ)
平成になってからも工事、修復等が行われており、有料での聖堂内見学もできます。詳しくはニコライ堂のホームページなどでご確認ください。
明治20年代のニコライ堂
(千代田区教育委員会蔵)
関東大震災で被災したニコライ堂(1923年)
(個人蔵)
現在のニコライ堂
■旧近衛師団司令部庁舎と竹橋兵営(近衛歩兵第一連隊兵舎:明治20年代)
江戸城の北ノ丸と呼ばれた場所のほとんどは、現在北の丸公園となっていますが、戦前、この地には近衛師団関係の施設が林立していました。
1910年(明治43年)、陸軍技師 田村鎮(やすし)の設計により建設された近衛師団司令部庁舎は一時解体が決定されましたが、各方面からの保存要望を受けて1972年(昭和47年)に重要文化財に指定されました。現在は保存活用工事を経て、東京国立近代美術館工芸館として活用されています。
現在の東京国立近代美術館工芸館(旧近衛師団司令部庁舎)
残念ながら司令部庁舎の当時の外観に関する資料は入手出来ませんでしたが、当時の北の丸付近の風景を知るために、隣接していた近衛歩兵第一連隊兵舎をご紹介します。
竹橋兵営(近衛歩兵第一連隊兵舎:明治20年代)
(千代田区教育委員会蔵)
煉瓦造りの兵舎が立ち並ぶ当時の竹橋の風景を想像していただけますでしょうか。
これらの建物の所在は前回もご紹介しました、日比谷図書文化館 特別研究室所蔵、1897年(明治30年)の東京市の地図『東京一目新図』の中にも確認できます。
『東京一目新図』
(特別研究室蔵)
皇居のお堀の北側、白く見えている部分が近衛師団司令部庁舎のあった辺りです。ニコライ堂はその東側、神田川の手前あたりに見ることができます。
こちらの地図。細かい部分を見れば見るほど新しい発見がある面白い資料です。
特別研究室では随時原本を広げて見ることができますが、申請いただければ研究目的での撮影が可能ですので、地図を手元でゆっくりご覧になりたい場合はスタッフにお気軽にご相談下さい。
また、日比谷図書文化館の図書フロア2階には東京、千代田区関係の多様な書籍を揃えたコーナーもあり「特別研究室で『東京一目新図』の細かい部分をじっくり見て、気になった建物や場所について図書フロアでゆっくり調べる」といった楽しみ方もおすすめです。
資料から眺める明治の千代田の風景、いかがでしたか?
皇居周りのお散歩が気持ちがよい季節になってまいりました。
東京・千代田区界隈にお越しの際には、まずは日比谷図書文化館に寄って歴史・文化・地理・グルメをリサーチしてから、
「いざ、千代田の街歩きへ出発!」
ぜひ、皆様のご来館をお待ちしています。
Posted at:13:00