日比谷図書文化館コンシェルジュ通信 vol.34:【展示情報】
特別展示室「学年誌100年と玉井力三 ―描かれた昭和の子ども―」開催中


今回のちよぴたブログは、日比谷図書文化館で開催中の特別展「学年誌100年と玉井力三 ―描かれた昭和の子ども―」のみどころと、その関連展示、関連講座をご紹介します。

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『小学三年生』(1970年11月号)と玉井力三による表紙原画

♪ピカピカの1年生♪でもお馴染みの学年別学習雑誌は、1922(大正 11)年に初めて『小學五年生』と『小學六年生』が創刊されました。今回の展覧会では、学年誌100年の歴史と、発行部数が最も多かった1950年代から 70 年代にかけて、表紙画を手がけ活躍した洋画家・玉井力三の原画約250点と歴代学年誌の現物、そして懐かしい付録を展示しています。

みどころ① 表紙で振り返る「学年誌」の100年史

学年誌は他の国にはない、日本独自の出版文化です。誕生から100年の歩みを豊かな資料とともに振り返ります。

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一歩踏み込むと、大きな表紙画が迎えてくれます。

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展示室外の壁面にずらりと並んだ小学一年生の歴代表紙。

みどころ➁ 表紙画家 玉井力三

玉井力三さんの名前は知らなくても、絵を見れば知っている!と思う方も多いはず。1950年代から70年代にかけて表紙画を手がけ、油彩で描かれたその数なんと1500点あまり!!玉井の正確なデッサンとリアルな描写力で描かれた笑顔の子どもたちの原画約250点が会場いっぱいに並んでいます。また、表紙画だけではなく、玉井の画力がわかる絵や学年誌以外の仕事も展示しています。

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表紙画に描かれた子どもたちの笑顔は生き生きとして、昭和のパワーでいっぱいです。

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玉井力三が二十歳頃に描いた絵。

みどころ③ みんな遊んだ、懐かしの付録たち

学年誌のお楽しみといえば毎号ついてくる付録ではないでしょうか。時代を象徴する懐かしい付録や現在の付録もご覧いただけます。

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愛らしい付録も展示しています。

玉井力三応援団結成!

美術史家で明治学院大学教授の山下裕二さんが玉井力三応援団を結成し団長に就任されました。玉井力三の確かな画力と20年以上も表紙画を描き続けた「商業美術家」としての仕事を高く評価されています。

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山下裕二さんのメッセージの応援団幕。

デザインは、祖父江慎+コズフィッシュ

ポスターやチラシそして会場のビジュアルデザインは、日比谷図書文化館でも2016年1月に特別展「祖父江慎+コズフィッシュ展 ブックデザイ」を開催した祖父江慎+コズフィッシュです。さらに展示の最後にお渡ししている冊子も祖父江慎+コズフィッシュによるもの。会場デザインなどにも是非ご注目ください。

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小冊子。展示の最後にお配りしています。

【開催期間】 開催中 ~ 11 月15日(火曜日)

【休 館 日】 10 月 17 日(月曜日)

【開室時間】 月曜~木曜・土曜 午前10時~午後7時

      金曜 午前10時~午後8時

      日曜・祝日 午前10時~午後5時 ※ 入室は閉室の 30 分前まで

その他、詳細につきましてはこちらをご覧ください。

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特別展関連展示も開催中

2階図書フロア、パープルゾーンの入ってすぐのところにある三角台では、1階特別展の開催にあわせ、学年誌の歴史や昭和の子どもの生活、当時の社会風俗、及び昭和期の広告イラストなどの資料を展示しています。

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貸出もできます!

【開催期間】 開催中 ~ 11月15日(火曜日)

【開催場所】 日比谷図書文化館 2階図書フロア

      パープルゾーン 三角展示台

その他、詳細につきましてはこちらをご覧ください。



【申込受付中】特別展関連講座・日比谷カレッジ

「表紙と付録で振り返る学年別学習雑誌の100年」

長年にわたって学年誌の編集に関わってきた体験も織り交ぜながら、戦前戦後の激動の時代から現代まで、時々の社会状況や世相や風俗を反映した学年誌の変遷を、表紙や付録を画像で投影しながらたどります。

【講師】野上 暁(児童文学・文化評論家)

【開催日時】 10月22日(土曜日)午後2時~午後3時30分

【開催場所】 日比谷図書文化館 地下1階 日比谷コンベンションホール

その他、詳細につきましてはこちらをご覧ください。

Posted at:18:10