日比谷図書文化館コンシェルジュ通信Vol.23:
【特別展】複製芸術家 小村雪岱 装幀と挿絵に見る二つの精華
雪岱の装幀と挿絵の世界へご案内します!


新型コロナ対策を講じつつ日比谷図書文化館1階 特別展示室では、特別展「複製芸術家 小村雪岱 装幀と挿絵に見る二つの精華」1月22日(金曜日)より3月23日(火曜日)まで開催中です。→詳細はコチラ


まずは、今回の展覧会タイトル「複製芸術家 小村雪岱」を、超初心者目線でご紹介するところから始めましょう。ご存知の方には愚問かもしれませんが、どうかお付き合いください。

■「小村雪岱」読めますか?

正解はこむらせったいです。

この画号の名付け親は、有名な文豪 泉鏡花です。彼の書下ろし小説単行本『日本橋』が、雪岱の装幀家デビュー作。その後も鏡花の作品のほぼすべての装幀を任されています。

本展覧会では、鏡花本の一冊『日本橋』の現物も展示しています。表表紙と裏表紙に洗練された筆致で描かれた、建ち並ぶ蔵と小船が行きかう川の風景、そして、そこに蝶が舞う!その構図の美しさと世界観に、初めて見た私も目が釘付けになりました。雪岱ファンの方も、初めてご覧になる方も、この機会に、鏡花本をはじめとする雪岱の作品をゆっくりご鑑賞ください。

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泉鏡花『日本橋』千章館、1914年

複製芸術家とは?

日本画を学んだ雪岱ですが、その才能は装幀家、挿絵画家、舞台美術家など様々な分野で存分に発揮されました。

今回の展覧会では、監修者・真田幸治氏の膨大な個人コレクションから

特に、これまで多くが把握されていなかった挿絵を掲載した雑誌や新聞の現物をふんだんに展示しています。

「「版画」や「凸版」から生まれる挿絵は、すなわち印刷という複製技術をベースとした「白と黒との二色の表現」による芸術であり、肉筆の「本画」とはまったく異なるものである」という作家 邦枝完二の言葉を真田氏が要約した文章の中には"複製芸術"としての挿絵の独自の価値が明確に指摘されています。

そんな挿絵の数々が、大正期の新聞の紙面の中に生き生きと描かれた展示は見応えがあります。

また、雑誌のページ全体を生かした大胆なレイアウトを施した、楽しく珍しい作品もご紹介しています。

印刷物を通した芸術=複製芸術をぜひ間近でご覧ください。

それでは、基礎知識を踏まえたところで、次に見どころをご紹介しましょう。

■見どころ1■

鏡花本をはじめとした装幀本が美しい!

装幀家としても評価の高い雪岱が装幀した本を多数展示しています。函、表表紙、裏表紙に至るまで、雪岱の世界観で統一された作品の数々は、色彩が豊かなもの、書体にこだわったものなど、バラエティーに富んでおり、装幀家雪岱の魅力が凝縮されています。どうぞじっくりとご堪能ください。

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美しい鏡花本が並ぶコーナー

■見どころ2■

ついつい掲載小説を読みたくなる挿絵の数々!

新聞連載小説の挿絵コーナー

日々連載が続いていた新聞掲載小説の切り抜きを、展示ケース一面に展示しているこのコーナー。繊細な筆致で描かれた躍動感溢れる挿絵を見ているうちに、ついつい小説の内容が気になって、じっと立ち読みをしてしまうほど魅力的です。また、苦心して入手し、綺麗に保管していらしたコレクター魂にも感動を覚えました。

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「東京日日新聞」の夕刊に掲載された邦枝完二「喧嘩鳶」の切り抜き

■見どころ3■

大胆な構図が楽しい雑誌の挿絵コーナー

『サンデー毎日』『ホーム・ライフ』といった、大きなタブロイド判雑誌の見開き紙面に、大胆に描かれた挿絵や、カラーで全面印刷した折り込みページ、広告絵や温泉美女まで、バラエティーに富んだ作品がガラスケースに並んでいます。足を止めてじっくり眺める方も多い人気コーナーとなっています。

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タブロイド判のサイズを活かした大胆な構図の挿絵


雪岱の描く景色や人々を見ていると、シンプルな線や構図の中に、雨や雪の降る音や柳を揺らす風の匂い、人々の話し声までも感じられるような心持ちになり、私もすっかりファンになってしまいました。

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小村雪岱「挿絵のモデル─個性なき女性を描いて」『ホーム・ライフ』、1935年

そこでファンに朗報です!

三井記念美術館でも、2月6日(土曜日)より特別展が開催される予定です。

小村雪岱スタイル­-江戸の粋から東京モダンへ

日時指定予約方法など、詳細につきましては、ホームページ等をご確認ください。

当館とはまた異なる視点での展覧会が期待できそうです。この春は小村雪岱の世界を存分にお楽しみください。

「図書館の中にある美術館」ならではの、こんな楽しみ方をご提案!

【関連図書展示も開催中です】

会期中、関連図書を展示しています。

「装幀と挿絵を描いた日本画家」

会場:日比谷図書文化館 2階図書フロア パープルゾーン三角展示台

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【ショップ&カフェでは関連グッズを販売中です】

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また、特別展にご来場してくださった皆様には、当館内にあるカフェ・ダイニングでご利用いただける、ドリンクのサービス券をお配りしています。

お食事の後やケーキタイムに、サービス券をお使いいただければ、お飲み物が1杯サービスとなります。

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ご来場の折には、ぜひカフェ・ダイニングも併せてご利用ください。

感染拡大が続く苦しい状況下ではありますが、図書館ご利用の際には、特別展にもお立ち寄りください。感染防止対策を万全にして皆様のご来場をお待ちしています。

現在日比谷図書文化館は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、ソーシャルディスタンス確保のため、閲覧席を減らして開館しています。また、入館時には、手指の消毒、検温、入館票のご記入、マスクの着用をお願いしております。皆さまにはご不便をおかけいたしますが、引き続きご理解とご協力をお願い申し上げます。
詳細は千代田区立図書館ホームページ­Twitter等で随時更新しておりますので、お出かけの際には、ご確認下さいますようお願いいたします。


Posted at:11:10

"本の街"を支える地域産業、「出版」に注目!


現在、千代田図書館9階展示ウォールでは展示やっぱり千代田は本の街 ちよだの出版社33を開催中です。

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本の街として知られている千代田区。"世界一の古書店街 神保町"には、150以上の古書店が並んでいます。しかし、たくさんあるのは古書店だけではありません。出版社も数多く存在しています。記録的大ヒットアニメが掲載されていたあのマンガ誌や、辞書といえばこれ!というあの大辞典などを手がける大手総合出版社だけでなく、専門書を発行する中小の出版社も合わせると、その数は数百社にのぼります。

今回の展示では、学術・専門図書の出版社で構成された団体出版梓会の会員社の中から区内にある33社をセレクト。各社の特徴と愛されている一冊」「これからの一冊をパネルで紹介するほか、関連書籍を展示しています。


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よく知られるロングセラーの文学作品から特定業種の実務書まで、バラエティに富んだ図書がずらりと並びます。

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展示されている図書は、すべて貸出可能です。どうぞお手に取ってご覧ください。

また、千代田図書館内には、出版にまつわる本棚のコーナーがあります。

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出版業界に興味を持ったら、こちらものぞいてみてはいかがでしょうか。

展示と同じ9階・赤い書棚エリアの調査研究ゾーン内に設置されています。

千代田区の地域産業「出版」を知ることができる展示や本棚にどうぞお立ち寄りください。


展示「やっぱり千代田は本の街 ちよだの出版社33」

【展示期間】 開催中~3月27日(土曜日)

       休館日:1月23日(土曜日)~25日(月曜日)

           2月28日(日曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階 展示ウォール

詳しくはこちらをご覧ください



●○千代田図書館 臨時休館のお知らせ○●

千代田図書館は、蔵書点検実施のため下記の期間は休館いたします。

【期 間】 1月23日(土曜日)~25日(月曜日)

他の区立図書館の休館日についてはこちらをご覧ください。

Posted at:11:20

コロナ禍に負けない!
「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」


新型コロナウイルス感染症の拡大で、いろいろとがまんの日々が続いています。

旅行やともだちとの約束など楽しみにしていた予定を泣く泣く変更したのも、ひとつやふたつどころではない!という方も多いのではないでしょうか。

それはおとなだけでなく、こどもも同じ。

学校生活にも大きな影響が出ています。

文化祭や発表会、大会などが次々と中止になり、日々がんばっていた成果を発揮する場が失われてしまいました。

図書館として何かできることはないか、と考えた読書振興センターは「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」を開催し、図書館の展示スペースを中高生たちの成果発表の場として活用してもらうことにしました。

現在展示しているのは、「正則学園高等学校 花いけ男子×書道」

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"花いけ男子"とは、一体どんな男子?

いわゆる華道とはちょっと違っていて、制限時間内に花を活けて出来ばえを競う"花いけバトル"に情熱を注ぐ男子たちのことです。

部活を見学させていただいた時は、実際に5分間の花いけバトルをしていました。

全体のバランスを見極めつつ花材を選び作品を仕上げていく、という作業を短時間で行います。見学している生徒たちからは、アドバイスやエールなどの声がけが入ります。勝敗は作品の出来で判断され(細かいルールがあり、減点などもあるようですが)、下級生が上級生に連勝する、というドラマもあり、その様子はなんだかスポーツのようでもありました。

そして、書道

部員は現在2名ですが、他校の書道部とのコラボレーションによる書道パフォーマンスにも取り組むなど、精力的に活動しています。書道パフォーマンスは、大きな筆を使って数メートルもある大きな紙に、音楽に合わせて動きながらその歌詞やメッセージなどを書くのだそうです。

文化祭や全国大会などでパフォーマンスを披露していましたが、2020年はできませんでした。大勢の人の前でパフォーマンスできる日が戻ることを待ちながら、そして、新入部員の加入も待ちながら、活動を続けています。

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今回の展示では、部活に打ち込む姿にメッセージをのせたポスターと、書道や生け花に関連する図書を展示しています。

ポスターは、この展示のために制作されたものです。力強い文字がひと際目を引きますね。

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また本日、展示にご協力いただいた正則学園高等学校の萩原先生(写真左)、鳴海先生(写真右)、小嶋先生が千代田図書館に来てくださいました!

先生方、ありがとうございました。

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」は、3月にも開催します。

図書委員会の活動紹介美術部の作品などの展示を予定しています。

ぜひご覧ください。

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展示「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」

正則学園高等学校 花いけ男子×書道

【展示期間】 開催中~2021年1月31日(日曜日)

       休館日:1月23日(土曜日)~25日(月曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

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Posted at:17:40

千代田図書館スタッフが選ぶ、今年最初に読みたい本

ステイホームでのスタートとなった2021年。おうち時間はもうしばらく続きそうですね。

おうち時間といえば、読書!

ということで、千代田図書館スタッフに「今年最初に読みたい本」を聞いてみました。

今回ご紹介する本は、千代田区立図書館で借りることができます。本の詳しい情報は書名をクリックしてご覧ください。

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『携帯 東京古地図散歩 浅草編』

原島広至/著

青幻舎

大正ブーム到来でしょうか? 先日、インターネット上に大正時代の映像情報が流れてきました。おおもとの映像は、アムステルダムにあるアイ・フィルム・ミュージアムに所蔵されており、それがYouTubeにアップされたようです。

映像には、建物の様子から、雷門や仲見世通りと判別できるもののほか、上野動物園や不忍池(あるいはひょうたん池?)、浅草六区と思われるものも出てきます。

さらに映像には、「十二階」と書かれた建物が出てきます。そう、この建物こそ、当時日本一高い塔であり、日本初の電動式エレベーターが導入された、凌雲閣です。凌雲閣は十二階建ての高層建築物であったことから「浅草十二階」、あるいは「十二階」とも呼ばれていました。

かつて、浅草に凌雲閣という高層建築物があり、関東大震災で崩落したという話は聞いたことがありましたが、まさか当時の様子を映像で見られるとは思いませんでした。

残念ながら、この映像では、凌雲閣の外観全てや、内部の様子までは見ることはできませんでしたが、コロナ禍が落ち着きましたら、Web観光はこのぐらいにして、本書を持って浅草へ、物見遊山に出かけたいところです。(総務・杉田)


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『最初の質問』

長田弘/詩 いせひでこ/絵 

講談社


「今年最初に読みたい本」というテーマから、真っ先に思い浮かんだのがこの絵本でした。「最初」という言葉が入っているからという安易な発想でしたが、あらためてこの本を読み返して、やはり1年の始まりにふさわしい本だと思いました。

この絵本は、長田弘さんの名詩に、いせひでこさんが描く美しい絵をつけたものです。「最初の質問」というタイトルの通り、始めから終わりまでずっと問いかけが続きます。

"「ありがとう」という言葉を、今日、あなたは口にしましたか。"

"あなたにとって「わたしたち」というのは、誰ですか。"

その問いかけのどれもが素晴らしく、深く心に残るものばかりで、思わず目を閉じてじっくりと考えたくなります。

昨年は、当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなり、生活や仕事など様々な面で変化が多い1年でした。先が見えない不安な日々が続きますが、そんな時こそこの本を読み、ゆっくり自分自身と向き合う時間を作っていきたいです。(学校支援・山口)

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◆◇◆千代田区立図書館よりお知らせ◆◇◆

緊急事態宣言の発出に伴い、千代田区立図書館は現在、サービス内容を変更して開館しています。

詳細はこちらをご覧ください。


今後、新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況に変化が生じた場合は、再度利用の制限や休止をすることがありますので予めご了承ください。
利用条件に変更があった場合は、
千代田区立図書館ホームページにてお知らせいたします。

Posted at:10:30

千代田図書館長の読書日記


皆さん、明けましておめでとうございます。本年も「ちよぴたブログ」をよろしくお願いいたします。

新年はじめの記事は「千代田図書館長の読書日記」をお送りします。


2020年はコロナ禍に襲われて思いもよらない年になりました。今年はどんな年になるのでしょうか。できれば明るい出口が見えてくることを祈るばかりです。

ただ、家にいる時間が増える現実は、「本を読む」にはむしろ好都合な状況と言えるでしょう。そして、新たに出版される本はもちろん魅力的なのですが、どこか家の隅に眠っている本を引っ張り出してみるのにも良い機会かもしれません。

そう思って、私自身が本棚から引っ張り出したのは、安部公房『砂の女』(新潮社)。中学生のころ本棚に並んでいたのを見つけて読んだ記憶はあるものの、ただ暗いイメージだけが残っているばかりで、どんな内容だったかまるで覚えていませんでした。しかし、読み始めると何と一気読み。

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『砂の女』

安部公房/著

新潮社


そこである作品を思い出しました。著者の作品は難解で読みたくないという人が少なくないのですが、おそらくこの作品なら大丈夫。「赤い繭」

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「赤い繭」(『安部公房全集 12』に収録)

安部公房/著

新潮社

5分もあれば読破できます。抽象的な内容の物語ですが、文章も粗筋も平易。どんな解釈でも構わないでしょう。解釈の仕方そのものが、その解釈をした読者の世界観を表すような気がします。こんな作品はなかなかお目にかかれません。

もっとも、あまりに短い作品なので千代田図書館の中では全集から見つけていただくことになります。それに、この作品だけでは時間的に物足りないと言われそうなので、少し長い作品をもう一つご紹介します。

森博嗣『女王の百年密室』『迷宮百年の睡魔』(ともに新潮社)『赤目姫の潮解』(講談社)。百年シリーズと言われるものです。

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『女王の百年密室』

森博嗣/著

新潮社

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『迷宮百年の睡魔』

森博嗣/著

新潮社

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『赤目姫の潮解』

森博嗣/著

講談社


著者には『すべてがFになる』(講談社)など人気作品が多く、ファンクラブまで存在していますが、自身はこのシリーズが最後の小説と宣言しています。

身体と意識が別になったらどうなるのかという工学博士らしい独特な発想は、AIが珍しくなくなった世界の行く末を感じさせてくれる気がします。一般には推理小説としてジャンル分けされるのでしょうが、最後の『赤目姫の潮解』まで読み進むと、ファンタジー的色彩が強くなり、ともすれば哲学的思考に誘われる不思議な感覚を味わえる作品です。

未だコロナ禍の最中にありますが、今年が皆さんにとって良い年となりますよう。本はいつでも皆さんの傍らにあります。

Posted at:10:00

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