誰でもやさしく読めて、障害への理解を深める「バリアフリー図書」

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「りんごの棚」という書棚
があるのをご存じでしょうか。千代田図書館では、9階メインカウンター側の青色書架29番の前に設置しています。

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▲千代田図書館「りんごの棚」

「りんごの棚」とは、特別な配慮を必要とする子どもたちのために作られた、使いやすい資料(アクセシブルな資料)をまとめた書棚のことで、1993年にスウェーデンの図書館で初めて設置され、日本の図書館には2013年に初めて導入されました。

また日本では2019年に、読書バリアフリー法(視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律)が施行されました。これは障害の有無に関わらず、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにした法律で、さまざまな障害のある方が利用しやすい形式で本の内容にアクセスできるようにすることを目指しています。

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▲千代田図書館29番の棚

千代田図書館のりんごの棚には、点字付きの触る絵本などを始め、様々な資料を揃えています。設置に伴い、通常より大きいサイズの書体で印刷された大活字本点字資料なども、29番の棚へ移動しました。

このように点字や大きな活字で書かれていたり、難しい言葉を使わずに絵や写真を多く使ったりと、誰にでも読みやすく理解しやすい本のことを「バリアフリー図書」といいます。

昨年実施した第24期「本と出会う読書サロン」のオープニングイベントで、公認心理師で女子美術大学非常勤講師の攪上久子氏「バリアフリー絵本」をテーマとした講演をしていただきました。

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▲2024年5月開催の第24期「本と出会う読書サロン」のオープニングイベント

バリアフリー絵本とは、さまざまな子ども達が、どのような本を必要としているのか、イベントの参加者も本を手に取りながら、学びを深める時間を過ごしました。

イベントのレポートは、こちらからご覧ください。


りんごの棚には、こんな本があります

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『さわってたのしいレリーフブック さかな』

村山 純子/著

小学館

凸凹とした印刷を触り、さまざまな魚の形や模様を楽しめる一冊。目の見える方も見えない方も、一緒に読んで楽しめる図鑑です。

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『地震がきたらどうすればいいの?』

あかぎ かんこ/さく、mitty/え

埼玉福祉会

簡単な言葉とピクトグラムを使い、理解しやすく書かれたLLブック。絵を見ながら、もしものときにどうしたらいいの?を考えることができます。

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『わたしのくつしたはどこ? ゆめみるアデラと目のおはなし』

フロレンシア・エレラ/文、ベルナルディータ・オヘダ/絵、あみの まきこ/訳

岩崎書店

あるはずの靴下がなかったり、道を間違えたり、最近アデラの周りで起こる不思議なことには、実は理由があって...。お話を楽しみながら、視覚障害への理解が深められる絵本です。



障害の有無に関わらず誰でもやさしく読むことができ、また障害や困難を抱える方への理解を深めるバリアフリー図書を、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。

千代田図書館の「りんごの棚」はまだまだ小さな取り組みですが、誰にでも読書にアクセスできる環境づくりに引き続き取り組んでいきます。

千代田区立図書館情報誌「千代田区立図書館 図書館だより2025年冬号」の特集面でも、バリアフリー図書を取り上げています。図書館だよりは区内のさまざまな施設にも設置していますので、ぜひご覧ください♪

Posted at:18:40

千代田区立図書館&日比谷図書文化館の広報誌がリニューアル!

千代田区立図書館ではイベントや周辺地域の特集、図書館がおすすめする一冊など、皆さんに役立つ図書館の情報を盛り込んだ、千代田区立図書館 図書館だよりを季節ごとに発行しています。
この度、1月発行の千代田区立図書館 図書館だより2025年冬号からリニューアルをいたしました。手に取る方に魅力が伝わるよう、デザインを一新しております。

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▲千代田区立図書館 図書館だより2025年冬号

特集ページを前面にし、今号より月間カレンダーを設け、イベントの日程や内容が時系列でわかるよう表示いたしました。千代田区立図書館 図書館だより2025年冬号は千代田区立図書館各館をはじめ、地域の近隣施設などで配布しています。ぜひお手に取ってご覧ください。

また、これまで発行した図書館だよりは千代田Web図書館でもご覧いただけます。
こちらからご覧ください♪

日比谷図書文化館の広報誌2025年2・3月号から「日比谷図書文化館広報誌」(隔月発行)へとリニューアル!

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▲千代田区立日比谷図書文化館広報誌 2025年2・3月号

日比谷図書文化館広報誌は、従来通りバラエティ豊かな講座がある日比谷カレッジ図書フロア情報特別展の紹介などを掲載。新たに日比谷エリアの魅力や文化の発信を目指したコンテンツが追加になりました。

これまで発行した広報誌「日比谷図書文化館 ポモーヌ」は千代田図書館ホームページでご覧にいただけます。
こちらからご覧ください♪

●〇●イベント情報●〇●
「おはなし美術鑑賞ワークショップ ~会話で広がる日本美術の世界~」
千代田図書館では、日比谷図書文化館所蔵の江戸時代の絵画などを題材に、参加者のみなさんと語り合いながら美術鑑賞を楽しむ「おはなし美術鑑賞ワークショップ」を開催します。美術館スタッフがナビゲートしますので、アートの知識がなくてもOK!ぜひお気軽にご参加ください。
【日  時】 2025年2月9日(日)①10時30分~11時30分 ②14時~15時 
       ※2回とも同じ内容です
【対  象】 小学生以上(小学生は保護者同伴・未就学児は入場のみ)
【場  所】 千代田区役所1階区民ホール(千代田区九段南1-2-1)
【参 加 費】 無料
【定  員】 各回30名(事前申込不要)
【主  催】 千代田図書館 読書振興センター

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詳細はホームページからもご覧いただけます
〇●〇●〇●〇●〇●〇●

これからも図書館の情報を盛りだくさんに発信していきますので、お楽しみに♪

Posted at:15:45

千代田図書館 読書振興センタースタッフの読書日記
「年のはじめに読みたい本」②


毎年1月に千代田図書館スタッフが一押しの本を紹介するブログ、「年のはじめに読みたい本」
前回の記事、「長編作品に挑戦!」に引き続き、読書振興センターのスタッフがおすすめの本をご紹介します♪今年2回目の記事は、「新しいことを始めよう!」がテーマ!
スタッフAが、新しい趣味を始める手がかりになりそうな本を選びました。
本との出会いをきっかけにして、今までに経験がないことや、興味があるけれど一歩踏み出せなかったことへの扉を開けられるかもしれません。
本を片手に、新しいことへ挑戦してみてはいかがでしょうか。

資料の詳しい情報は、書名をクリックしてご覧いただけます(貸出中の場合はご了承ください)。



『本好きさんのための東京コーヒーのお店』
ダ・ヴィンチ編集部/編 KADOKAWA

おしゃれな趣味といえば、カフェ巡り
この本では、カフェについての著書も多いライターの川口葉子さんをはじめとして、古書店主、本づくりのプロ、個性派書店の店主が厳選した、読書にぴったりのコーヒーのお店を紹介しています。個性豊かな店主達のこだわりが詰まった特別な空間で、お気に入りの一冊を開くひと時は、きっと特別なものになるはず。カラフルなクリームソーダが有名なさぼうるなど、千代田図書館の近くにある神保町古書店街の喫茶店も紹介されています♪


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『忙しい日でも、おなかは空く。』
平松洋子/著
日本経済新聞出版社

エッセイスト・フードジャーナリストの平松洋子さんが綴る、エッセイでありながらレシピ集でもある、少し変わった一冊。
料理をすること・食べることの魅力を、淡々としつつも穏やかな語り口で表現しており、読んでいるとおなかが空いてきそうです。紹介されているレシピは、どれも気軽に作れるものばかり。滅多に料理をしない人も、今日は自分で作ってみようかな?という気持ちになれる、あたたかみのある一冊です。


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『大人ひとり旅のはじめ方 "自分"を満たす、新しい体験に出かけよう』
主婦の友社

「ひとり旅」といえば、やってみたいけれどなかなか勇気が出ない...という趣味の筆頭ではないでしょうか。心細く感じる瞬間もありますが、そこには全く新しい体験が待っているはず。この本では、ひとり旅を楽しむコツやプランの立て方・ホテルの選び方などが紹介されており、旅を始めるにあたっての不安を解消することができます。旅好きの5人のライターが紹介するおすすめプランも魅力的。慌ただしい日常や仕事から離れて、自分だけの自由な時間を作りたくなります。



「新しいことを始めよう」をテーマに、3冊の本を紹介しました!
ひとつでも挑戦につながる本があれば幸いです。
喫茶店や料理、ひとり旅に限らず、新しいことを始めたい時は、ぜひ千代田区立図書館を訪れてみてください。興味を持てることがきっと見つかるはずです!

Posted at:15:50

日比谷図書文化館コンシェルジュ通信vol.48
新春、本のお言葉おみくじ

新たな1年のはじまりにおみくじはいかがですか。日比谷図書文化館では1月31日(金曜日)までの期間限定で、おみくじを行っています。
題して「悩んだときは、本を開こう 本のお言葉おみくじ」です。

おみくじは「人間関係」「将来」「お金」「健康(美容)」の4つのジャンルに分かれています。気になることや関心に合わせて、箱を選んでください。おみくじには本から引用した名言が記されています。本のお言葉にモヤモヤした心を整理するヒントがあるかもしれません。

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▲設置場所は、1階の受付カウンター横の展示スペースです

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▲心に響く名言に出会えますように・・・

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引用したお言葉が気になったら、ぜひ本を読んでみてはいかがでしょうか。おみくじの最後に、本のタイトルと引用ページ、行数を記載しています。すべての本が貸出し可能です(すでに貸出中の場合もあります。貸出し状況については2階の図書フロアで確認できます)。
本との一期一会を大切に、豊かな1年になるお手伝いができたら嬉しいです。

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次回特別展「実録 桜田門外の変」のご案内
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人々は事件をどう記し、どう伝えたのか
 ―季節外れの雪降る安政7年3月3日。

江戸幕府の大老 井伊直弼が攘夷過激派の浪士に襲撃された「桜田門外の変」。事件は幕府を揺るがし、その7年後、江戸時代は幕を閉じることとなります。
幕府最高職の暗殺は、社会をも動揺させ、様々な人によって記録され、描かれました。
現代でも芝居や小説、ドラマや映画などで取り上げられることの多い「桜田門外の変」はどのように起き、どのように記され、どのように伝えられたのでしょうか。
絵画や史料から事件をたどってみます。

【開催期間】 2月8日(土曜日)~ 3月24日(月曜日)
【休 館 日】 2月17日(月曜日)、3月17日(月曜日)
【開室時間】 月曜~木曜・土曜 午前10時~午後7時
       金曜       午前10時~午後8時
       日曜・祝日   午前10時~午後5時(入室は閉室30分前まで)
【観 覧 料】 一般500円、大学・高校生300円、
       区内在住者・中学生以下の方、
       障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方
       1名は無料​​​​​​(各種確認できるものをお持ちください)

その他、詳細につきましてはこちらをご覧ください

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▲当館入口

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▲館内のバナーも迫力満点です

興味関心が深まる、関連講演会、まち歩きもございます。お申し込みは先着順です。

■申込受付中■(定員に達し次第締切)

①特別展関連講演会 「彦根藩世田谷領の人々と桜田門外の変」
詳しくはこちら
【日 時】2月22日(土曜日)午後2時~午後3時30分
②特別展関連講演会 「桜田門外の変の描かれ方」
詳しくはこちら
【日 時】3月1日(土曜日)午後2時~午後3時30分


■2月25日(火曜日)午前10時より受付開始■
③特別展関連
まち歩き「歩いて現場検証!桜田門外の変」
詳しくはこちら
【日 時】3月22日(土曜日)午前10時~午後12時

■関連情報■

日比谷図書文化館特別展「実録 桜田門外の変」へのアプローチ
映画上映会「桜田門外ノ変」(仮)映画出演:大沢たかお ほか

【開催期間】 3月6日(木曜日)18:30開演(18:00開場)
【場  所】 日比谷図書文化館 地下1階 コンベンションホール(大ホール)

受付開始日、その他詳細は後日ホームページにてご案内します。
皆さまのご来館を、心よりお待ちしております。

Posted at:16:21

千代田図書館 読書振興センタースタッフの読書日記
「年のはじめに読みたい本」①


2025年が明けました。いつも「ちよぴたブログ」をご愛読いただき、ありがとうございます。

毎年、一年の始めにアップしているブログ「年のはじめに読みたい本」。今回は、千代田図書館 読書振興センターのスタッフ2人が2回に渡ってお届けします。

第1回は「長編作品に挑戦!」を2025年の目標に掲げたスタッフNの「年のはじめに読みたい本」をご紹介!

一つの作品にじっくり向き合ってみたいと思っているものの、読み切れるかな...と、なかなか手を出せない人にも楽しんでもらえるような手に取りやすい作品から、今話題の作品まで幅広く選びました。

資料の詳しい情報は、書名をクリックしてご覧いただけます(貸出中の場合はご了承ください)。



『図書館戦争』全6巻(完結)

有川 浩/著

KADOKAWA

図書館を舞台に、言論の自由を巡り、争いが起こる世界のお話です。公序良俗を乱す表現を取り締まるメディア良化法が施行されたこの時代に、言論の自由を守る図書隊と言論の自由を制圧したい良化隊、それぞれの正義がぶつかり合います。図書隊に入隊した主人公が何事にも全力で取り組む姿には、思わずがんばれ!と叫びたくなります。情報社会に生きる私たちにとっても、言論の自由について改めて考えさせられる作品です。

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『烏に単は似合わない』全12巻(2025年1月現在)

阿部 智里/著

文藝春秋

八咫烏が住む異世界・山内(やまうち)での統治者、日嗣の御子(ひつぎのみこ)の座をめぐり、東西南北の四家の貴族、そして后候補を巻き込んだ権力争いが描かれています。2024年にアニメ化もされたのでご存じの方も多いかもしれませんが、アニメで放送されたのは『烏に単は似合わない』と、次作の『烏は主を選ばない』の2巻分のみ(2025年1月現在)。3巻目以降の怒涛の展開にも目が離せません!ストーリーが進むにつれて伏線が次々と回収されていくので、全12巻読んだ後には、もう1度最初から読み返したくなるはず!

『ビブリア古書堂の事件手帖』全11巻(2025年1月現在)

三上 延/著

アスキー・メディアワークス

古書店を舞台に繰り広げられる、さまざまな「古書」を巡った事件を次々と解決していくミステリー小説。息をするように古書の知識が続々と出てくる主人公が、その知識をもって事件を解決へと導きます。解決するときの爽快感とあわせて、古書を読んでみようかな...と、作品そのものにも興味が湧き、古書店を巡りたくなるかも(その際は、ぜひ神田神保町古書店街へお越しください♪)。

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『三体』全6巻(作者公認の二次作品を含むと全7冊 完結)

劉 慈欣/著

早川書房

この作品も、中国版ドラマに続いて2024年にNetflixでもドラマ化されて話題になりました。文化大革命が起きた中国で引き起こされる、人類の運命を賭けた大プロジェクト!昨年発売された文庫本の1巻目が600ページを越える超大作です。第一章の数十ページを読み終えたときには、この世界がどういう結末を迎えるのか、最後まで追いかけたい!と魅力に引き込まれているはず。読み終えた後の達成感も一緒に味わえること間違いなしの作品です。



今回は「長編作品」をテーマにした4作品を紹介しました。テーマを決めて本を選んでみるのも、自分が普段出会えない本とつながるきっかけになるかもしれません。

次回の「年のはじめに読みたい本」紹介もお楽しみに!

Posted at:15:40

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