ゴールデンウィークは、本のイベント盛り沢山!

ゴールデンウィーク中は、千代田区内をはじめ、

各地で様々な本のイベントが開催されます。

本をめぐる東京プチ旅行も楽しそうですね♪

以下、おすすめのイベントをいくつかご紹介します。

 

★千代田区 ブックハウス神保町にて

「まくらのせんにん そこのあなたの巻」 

 かがくいひろし原画展&絵本フェア

期間 4月29日(木・祝)~6月1日(火)/詳細はこちら

その他にも、謝恩価格本フェア、生誕100周年を迎える「スイミー」の

作家レオ・レオニの絵本ミニフェアなどを開催中。

 

★文京区 湯島聖堂にて

「美篶堂まつり」

日時 5月5日(水・祝)11:00~17:00/詳細はこちら

長野県に製本工場を持ち、お茶の水でショップ・工房・ギャラリーを

展開している「美篶堂」が主催する年に1度のおまつり。

活版印刷「嘉瑞工房」、「美術出版社」、手でつくるスタンプ「八朔ゴムはん

などが出店するクリエーターマーケットとワークショップの開催。

 

★港区 東京ミッドタウンにて

「PARK LIBRARY ~ふかふかな芝生の上で読書を楽しむ~」

期間 開催中~5月6日(水)、5月末までの土・日/詳細はこちら

BACHの幅さんセレクトの本が入ったバスケットとラグマットの貸出。

 

★台東区 上野恩賜公園にて 

「上野の森 親子フェスタ」

期間 5月3日(月・祝)~5日(水・祝)/詳細はこちら

絵本、児童書など約4万冊の謝恩価格販売、読み聞かせ、

紙芝居、講演会など大人も子どもも楽しめる本のおまつり。

 

★台東~文京区 谷根千地区(MAP配布店)にて

「一箱古本市Week」

期間 開催中~5月9日(日)/詳細はこちら

場所は、谷中・根津・千駄木にまたがる「不忍通り」沿いや

その近隣。4月29日(木・祝)&5月2日(日)に開催される

「一箱古本市」ほか、トークイベント、ブックフェア、映画祭

など様々なイベントが開催されます。 

 

★豊島区 あうるすぽっとにて

「BLUE BOOK GROUP 世界の絵本原画展」

期間 4月29日(木・祝)~5月11日(火)/詳細はこちら

世界26カ国の若手作家たち96人の国際イラストレーション展。

 

★世田谷区経堂 ロバロバカフェにて

「ロバロバカフェ 春の古本市」

期間 5月1日(土)~12日(水)/詳細はこちら

仙台の「book cafe火星の庭」、文庫本葉書などの活動をしている

book pick orchestra」、大阪の「貸本喫茶ちょうちょぼっこ」ほか出展。

 

★埼玉県 西部ドームにて

「10円図書室」(MOTTAINAIフリーマーケット内)

期間 5月1日(土)2日(日)/詳細はこちら

場所はキッズフリーマーケット会場横。お店屋さんごっこの

要領で、子どもたちの手で、子どもたち自身が自ら探して

「かげがえのない1冊」と出会える場を提供しよう、という

おやこんぼ事務局」の試み。

 

京都への旅行を予定されている方には・・・

★京都市 国際交流会館にて

「東京製本倶楽部 国際製本展―革装本の現在―」

期間 5月3日(月・祝)~9日(日)/詳細はこちら

革装の本をテーマに、その歴史、素材、技法の紹介や、

様々なルリユール作品の展示。

 

千代田図書館はゴールデンウィーク中も毎日開館!

(※開館時間 土10:00~19:00、日祝~17:00)

★千代田区 千代田図書館

1)おすすめの児童書展示「冒険にでかけよう!!」

 期間 開催中~5月31日(月)

2)昭和30~40年代に出版された児童書展示「子どもの頃に読んだ本」

 期間 開催中~5月12日(水)

3)企画展示「神田の文化人・斎藤月岑と『江戸名所図会』」

 期間 開催中~5月22日(土)

4)ミニ展示「江戸の名所絵くらべ」

 期間 開催中~5月22日(土)

5)としょかんのこしょてん「装幀の美・豆本の世界(担当:呂古書房)」

 期間 開催中~5月28日(火)

 

Posted at:11:25

児童書の展示「冒険にでかけよう!!」

千代田図書館10階=児童展示コーナーで

「こどもの読書週間」にあわせた楽しい展示が始まりました。

展示期間 4月23日(金)~5月31日(月)

 

『エルマーのぼうけん』シリーズのりゅうは、児童担当司書の手づくりです!

  

参考にした本はこちら。エルマーのぼうけんのほかにも、

ぐりとぐら、ラチとらいおん、しょうぼうじどうしゃじぷた

など、人気の主人公のつくりかたが載っています。

 

いっしょにつくろう ―絵本の世界をひろげる 手づくりおもちゃ―

製作 高田千鶴子・酒本美登里・小林義純  

絵 村田まり子;写真 ペソ

出版社 福音館書店(2006)

価格 1,600円+税

ISBN 4-8340-1246-8


展示では、りゅうだけでなく、

冒険グッズと地図も展示されています。

 

何に使われた道具なのか、どこの地図なのかは

『エルマーのぼうけん』を読んでみてくださいね!

 

そのほかにも、冒険の本がたくさんあります。

色んな物語の主人公たちと一緒に、冒険にでませんか。

 

★展示本リストほか、詳細はこちら

Posted at:10:30

懐かしい!あの本に再会できる展示

今日4月23日は「子ども読書の日」です。

5月12日までの「こどもの読書週間」期間中、

千代田図書館9階=第2展示ウォールで

「子どもの頃に読んだ本 昭和30~40年代の児童書」

という展示を行っています。

 

「懐かしい!」「この本覚えてる」「こんなお話、あったなあ」

と、子ども時代に思いを馳せる声が聞こえてくるような、

“大人のための”児童書の展示。

今の子どもたちにも読んでもらいたい本ばかりです。

 

千代田区の旧富士見児童館(現在は、富士見こどもみらい館

内「わんぱくひろば」)の蔵書から、昭和30~40年代にかけて

出版された本を、全集やシリーズ毎に展示しています。

 

【写真左】国際児童文学全集 あかね書房(昭39~43)

 『魔神と木の兵隊』『運河と風車とスケートと』ほか全24巻

【写真右】Fantasy Book 理論社(昭44~46)

 『東京のサンタクロース』『ドリーム77』ほか計7点

 

【写真左】『びわのみ童話集』 坪田譲治・編 フレーベル館(昭45)

【写真右】『春の目玉』 福田清人・作 講談社(昭38)

 

牧書店の本もたくさん展示しています。

【写真左】『スズメの四季』 小林清之助・作 (昭46)

【写真中】『五箇山ぐらし』 かつおきんや・作;梶山俊夫・画 (昭47)

【写真右】『ズリ山』 若林勝・作;梶山俊夫・画 (昭46)

 

【写真】少年少女 世界の名著 偕成社(昭38~44)

 『コンチキ号漂流記』ハイエルダール・著;神宮輝夫・訳

 ほか全20巻のうち、14巻を展示。

 

展示点数は約250点。活版の印字、布張りの装丁、

現在は違う題名で親しまれている物語、当時話題になった物語

・・・など「再販予定なし」の本も多く、今では貴重な本ばかりです。

ぜひ足を運んでみてください!

 

★展示の詳細はこちら

★「こどもの読書週間」記念イベント

5月8日(土)15:00~千代田区民ホール(区役所1階)

「言葉と音のフェスティバル♪ちよだ音楽おはなし隊」

読み語りとマンドリンオーケストラのコラボレーションで、

赤ちゃんから大人まで楽しめるイベントです。

事前申込み不要。詳細はこちら

 

 

 

Posted at:18:00

凪を求めて南木佳士を読む

今日は千代田図書館長の読書日記をお届けします。

 

『からだのままに』

著者 南木佳士(なぎけいし)

出版社 文春文庫(2010年)

価格 495円+税

ISBN 978-4-16-754516-1

 


 

この作家の作品は、半分ほどは読んでいる。

同年輩の友達に自慢げに言ったら、

「凪(南木)シンドローム?」と返された。

凪か・・・ ウマイ!

私はこの作家の作品に、凪(なに)を求めているのか。

呼吸器外科医を長年務め、

毎日苦しみぬいて死をむかえる患者を看取っているうち、

自身はパニック障害に陥り、それからうつ病を患い、

病院勤務もままならない日日が続き、

登山をすることで病気回復の「道」を見つけつつある。

 

『ダイヤモンドダスト』で第100回芥川賞受賞。

いわゆる本業を手控えたり辞めたりせず、

今も二足の草鞋をはいて、

苦しみながら書くことも辞めていない。

 

この作家の作品は、読むことが気持ちの負担にならない。

辛い事を「辛い」と書いているのに、

読んでいる私の気持ちが辛くならない。

こんな物語が、時として無性に読みたくなることがある。

 

これは私が「凪」を求めているのかも知れない。

 

どの作品にも、自身の家族(特に父親、祖母)について、

東北で過ごした医大生の生活模様、自身のパニック障害

発症からうつ病を患うようになるまで、が必ず出てくる。

 

上記の事項をいくつか組み合わせて物語が仕立てあげられ、

1冊の本が出来上がっているように思う。

新刊書を読んでいても、そろそろ「あの」事が出てくるな

と思うと、必ず出てくる・・・この嬉しさ!!

 

しかし読むたびに何となく飽きてきて、

もう読むものかと思っても、新作が出ると手にとってしまう、

まさに「南木シンドローム」に陥ってしまっている。

 

最新刊『からだのままに』の登山のくだりを読んでの大発見。

 

南木式「なぜ山に登るのか」

 

「・・・略・・・からだの重心を左右に移動させつつ、

いくらか前傾して進む。ゆっくり、ゆっくり。

すると、登っているという意識が消え、自分がただそういう

行為だけが可能な動物に変容してゆく錯覚にとらわれる。」

 

だから結果として、山に登っていることになる・・・ということ。

 

私も少し山登りをするので、このフレーズをもじって

「そこに山があるから」に変え、

「からだの重心を左右に移動させることで、

登っているという意識なく、山に登っているにすぎない」と。

Posted at:17:20

「トム・ソーヤーの冒険」の著者 没後100年

今日4月21日は、アメリカの作家マーク・トウェインの命日です。

(本名サミュエル・ラングホーン・クレメンズ(1835-1910))

「トム・ソーヤーの冒険」「ハックルベリー・フィンの冒険」など

大人になったいま、改めて読み直してみると

子どもの頃とは違う印象を受けるかもしれませんし

英語の勉強もかねて、原書を読んでみるのもいいかもしれません。

 

彼は晩年、人生に幻滅している老人と青年の対話形式で書いた

「人間とは何か」をはじめ、

上記作品の作者と同一人物とは思えないような

人間の貪欲さや残酷さなどに焦点を当てた作品を残しています。

 

★作家の生い立ちなどについては、こちらのページが詳しいです。

 The Mark Twin House and Museum (日本語版あり)

 

★マーク・トウェインの著書

「トム・ソーヤーの冒険 上・下」 石井桃子訳 岩波少年文庫(2001)

「The Adventure of Tom Sawyer」 PENGUIN CLASSICS(1986)

   

 

「ハックルベリー=フィンの冒険 上・下」 

 斉藤健一訳 講談社 青い鳥文庫(1996)

「The Adventures of Huckleberry Finn」 PENGUIN CLASSICS(2003)

    

 

「不思議な少年」 中野好夫訳 岩波文庫 (1969)

「人間とは何か」 中野好夫訳 ワイド版岩波文庫 (2004)

「マーク・トウェインのジャンヌ・ダルク」 大久保博訳 (1996)

     

Posted at:17:20

小学生から鰻屋までが通う「大屋書房」

千代田図書館には、神保町の様々な古書店が各店自慢の

貴重資料を展示する、月替わりの出張古書店コーナー

「としょかんのこしょてん」があります。

 

4月27日(火)まで、

vol.35「江戸の小説 草双紙の変遷と読本

~木版摺の挿絵や表紙に注目して~」を開催中です。 

  

 

今回の担当書店「大屋書房」にお邪魔してきました。

靖国通り沿い、駿河台下交差点へ曲がる角にあります。

 

通りに面したショーウィンドウに早速気になる商品が・・・

「水木しげる ちりめん絵葉書(10枚)」¥3,150-他

 

ガラス扉の入口。1882年(明15)創業の老舗が醸し出す雰囲気に

入りにくい印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、

ぜひ、勇気を出して扉を開けてみてください。

(机の配置も何もかも、昔からそのまま!だそうです。)

 

そこには・・・

中を見てみたい!紙好きにはたまらない!和本や、

 

きれい!飾りたい!浮世絵や古地図が本当にたくさんありました。

 

大屋書房の初代店主・纐纈(こうけつ)房太郎さんは、

現3代目店主・公夫さんの祖父にあたり、出版も手がけていた

ので、大屋書房発行の本も色々と見せていただきました。

房太郎さんは、交友関係も大変広かったようで、

「江戸研究会」の名で出した本『大江戸』(大正弐年)には、

岡本綺堂、上田萬年などの著名人をはじめとする数多の

執筆陣が名を連ねています。

そうしたお客さんの中から、和本を取り扱ってほしいという

声が多かったこともあり、現在に至るようです。

 

浮世絵は、有名な作家のものでも、大きさによっては

なんと5千円くらいから購入できます。

もっとずっと高いものだと思っていました!

 

誰某の何々・・という知識やお目当てがなくても、

鰻屋さんは、店に飾るために「鰻」が描かれている浮世絵を、

学校の先生は生徒に「本物」を見せるために・・など

様々な切り口から楽しむことができるのですね。

小学生の頃から店に通い続け、今は大学で彫りを学んでいる

というお客さんもいるそうです。

 

たとえば着物好きの友人に、美しい着物姿が描かれている

浮世絵を、紙好きの友人に和本をプレゼントしてみる、

なんていかがでしょうか?

 

なにより、この店の魅力は3代目店主の公夫さん、

4代目・久里さんの人柄の良さと江戸文化への思い。

とても気さくで、親身になって色々と教えて下さいますよ。

 

★おすすめ! 『妖怪カタログ』 ¥1,500-

和本の面白さをもっとたくさんの人に知ってほしい!との

思いで作られた目録。

 

★ルイ・ヴィトンの東京ガイド、ミシュランの日本ガイドでも

 紹介されている。

 

 

★入ってすぐ右手には、掘り出し物コーナー。

Posted at:16:50

4/24(土)神保町路地裏ブックマルシェ

 

靖国通りから少し入ったところにあるカフェ&バー

+cafe Flug(カフェフルーク)」と周辺の路地で、

本と紙にまつわるフリーマーケット

「神保町路地裏ブックマルシェ」が開催されます。

人力移動で旅する本屋「放浪書房」との共同企画。

 

その他にも数店舗が屋内外に軒を列ねて、

古本、新刊、ミニコミ誌、豆本、ブックカバー、栞、

ブックバック、ポストカードなどを販売するそうです。

屋台フードやドリンクもあるとのことなので、

楽しい路地裏散歩ができそうですね♪

 

★日時 4月24日(土)12:00~17:00 

      ※雨天時は25日(日)に順延。

★詳細はこちら

Posted at:16:00

映画の中の日本文学

東京国立近代美術館フィルムセンター(京橋)で

展覧会&上映会「映画の中の日本文学 Part3」

が始まりました。

 

一昨年から始まった企画の最終回となるPart3では、

戦後期に活躍した作家たちの原作による映画作品が

上映されます。 

 

個々の文学作品が各時代の文化状況の中で

     いかに一本の映画に“翻訳”されたか?を

45本(43プログラム)の名作を通じてたどる企画です。

 

7Fの展示室で開催されている

「映画資料でみる 映画の中の日本文学Part3 

 -戦後の文学-」もあわせてご覧ください。

 

 期間 【展覧会】4月6日(火)~6月20日(日)

    【上映会】4月6日(火)~5月9日(日)

 場所 東京国立近代美術館フィルムセンター

 

 ★【展覧会】の詳細はこちら

 ★【上映会】の詳細はこちら

 

4Fの図書室には、映画文献約2万8千冊がそろっていて、

一般の方も利用できますよ!(図書室についてはこちら

 

Posted at:12:55

東京堂書店ふくろう店で講演会

東京堂書店ふくろう店のリニューアル記念講演会

「八十歳をこえても 本といっしょ」のお知らせです。

 

1.芸人・小沢昭一さん

日時 本日15:00~16:00

会場 東京堂書店 神田本店6階

参加費 500円

申込み 電話 03-3291-5181

 

≪小沢昭一さんの著書≫ ほんの一部をご紹介

    

  

「話にさく花」 文藝春秋

「もうひと花」 文春文庫 

「むかし噺うきよ噺」 新潮文庫 

「せまい路地裏も淡き夢の町」 晶文社

 

 

2.児童作家・神沢利子さん

日時 4月16日(金)14:00~15:30

会場 東京堂書店 神田本店6階

参加費 500円

申込み メール (tokyodosyoten@nifty.com

    電話 03-3291-5181

※4/15(木)以降は電話で要・問合せ。

 

≪神沢利子さんの本≫ ほんの一部をご紹介

  

  

「ウーフとツネタとミミちゃんと」 絵・井上洋介 ポプラ社

「おべんとうをたべたのはだあれ」 絵・柿本幸造 ひさかたチャイルド

「おばあさんのスプーン」 絵・富山妙子 ≪こどものとも≫傑作集

「流れのほとり」 画・瀬川康男 福音館文庫

 

★講演会の詳細、場所についてはこちら

 

4月30日まで、店内で同タイトルのブックフェアが開催されています。

お2人の、今ではなかなか手に入らない稀少本もあります。

ぜひ足を運んでみてください。

 

Posted at:13:15

今日は「国際こどもの本の日」

今日4月2日は、アンデルセンの誕生日で、

国際児童図書評議会(IBBY)(※リンク先は日本支部です)により

「国際子どもの本の日」に定められています。

1967年からは、世界72の国と地域が参加するIBBYの各支部が順番に

ポスター(写真)とメッセージを作成し、各国に発信しています。
今年はスペイン支部が担当で、

メッセージは「さがそう、本はきみを待っている!」

 

 『アンデルセン童話集』

     

  大畑末吉・訳 岩波少年文庫(2006年・新版第7刷発行)

 

「おやゆび姫」「みにくいアヒルの子」「人魚姫」

「マッチ売りの少女」など、知っているはずの物語でも

大人になった今、改めて読み直してみると、

新たな発見があるかもしれません。

  

ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805~1875)

デンマークの作家。デンマークで3番めに大きな島フューン島の

オーデンセという町で、貧しい靴職人の子として生まれた。

文学好きの父と、迷信深い母との間で育ったが、

11歳のとき、父を失った。

15歳のとき、俳優を志してコペンハーゲンに出たが、

貧窮をきわめ挫折した。

その後、大学で学ぶ幸運に恵まれ、

30歳のとき、『即興詩人』によって文名を確立した。

同じ年、最初の童話集を出版し、以後、30年以上にわたって

150編あまりの童話を書きつづけた。

(岩波少年文庫より引用)

 

Posted at:12:30

レポート:読み聞かせスキルアップ講座④

読み聞かせスキルアップ講座もついに最終回。

参加者で発表会を行いました。

 

 

櫻井先生の講義では、テクニックやルールといった類の

具体的、技術的なお話はほとんどありませんでした。

でも、初回とこの最終回とでは、参加者の読み聞かせには

大きな変化がありました。

先生が言い続けてこられた読み聞かせや語りの本質

― その絵本を通して、何を伝えたいのか?

― 愛情表現。本を介して、心と心を通わせること。

などが参加者の皆さんの心に残り、

とても良い発表会になったのだと思います。

オーバーアクションや演劇風な読み方でなくても、

物語の良さや楽しさ、伝えたいことが自然と聞き手の心に

入ってきました。

以下、発表会で披露された本を紹介します。 

 
『よだかの星』
 

宮澤賢治・著

この物語は「おまえの●●が気にくわない」と、否定される

“よだか”が主人公です。

人の気持ちを想像し、そこに自分の心を重ねることができなくなっている

現代の子どもや大人たちに、人がどんな気持ちでいるのかを考えること

を教えてくれます。

 

4名の参加者が分担して読み聞かせを行ったのですが、

声や読み方が落ち着いていて、心を込めて読んでいるというのが

伝わり、また物語のもつ良さが際立っていました。

 

ときにはこのような本を読んで、子どもに問題を投げかけることも必要です。

子どもは本を通して自分の気持ちを消化し、生きる力や勇気をもらうのです。

 

グリム童話より 『赤ずきん』

グリム・作 バーナディット・ワッツ・絵 生野幸吉・訳

出版社 岩波書店(1976年)

価格 700円

ISBN 4-00-115127-8

 


これも、4名の参加者が分担して読み聞かせを行いました。

こちらのメンバーはジェスチャーや声色の変化があり、

オオカミが赤ずきんに語りかける場面などでは、いかにも悪そうな声で

聞き手の笑いを誘っていました。

 

「赤ずきん」はたくさん出版されていますが、

生野幸吉の訳本は、原文に忠実に訳されていて、

心理描写までが聞き手に伝わってきます。

昔話を丁寧に伝えている本です。

 

『三枚のお札』

「古事記」にも入っているという、古くから伝わる昔話。

最初に小僧さんが歌いながら栗拾いをする場面があるのですが、

読み手の歌声が美しく、笑いも誘いました。 

 

『アンナの赤いオーバー』

ハリエット・ジィーフェルト文 アニタ・ローベル絵 松川真弓訳

出版社 評論社(1990年)

価格 1300円+税

ISBN 4-566-00288-8

児童図書館・絵本の部屋

 


アンナのための赤いオーバーができるまでに、何が必要で、

どんな人(職人)たちの手がかかるのか、というストーリー。

着るものや食べるものなど、何でも人の手がかかっている

ということを知るのにいい本です。

絵本は、与えるだけではなく、実生活の中で見せることが大事です。

(たとえば、ハンバーグの作り方が出てくる絵本だったら、

 実際にそのハンバーグを作ってみるとか・・・)

そうすることで、「暮らし」とはどういうものなのか、子どもは学びます。

 

『世界の民話 28 オーストリア』より「牛飼い聖者」

小澤俊夫・訳 ぎょうせい・出版

とっても愉快な笑い話で、絵本ではないので語りを披露されました。

 

『トンちゃんってそういうネコ』

MAYA MAXX さく・え

出版社 角川書店(1999年)

価格 1995円

ISBN 4048531115

参加者に大好評だった1冊。

とても元気なオス猫・トンちゃんは実は片足がないというストーリー。

絵も大胆で、元気と勇気づけられる物語でした。

 

その他、櫻井先生による語りが披露されました。

張りのある、聞き手を魅了する声でした。

 

 

今回の連続講座は、

一言も聞き漏らしたくないくらい、学びと気づきの連続で、

スタッフとして参加した私にとっても、本当に貴重な機会となりました。

参加者の皆さんの、今後ますますのご活躍を期待しています。

皆さんおつかれさまでした&ありがとうございました! 

 

Posted at:18:30

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